ドメーヌ・ゲラン

Domaine Guerrin

国・地域

フランス ブルゴーニュ

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ブルゴーニュ南部マコン・ヴェルジッソン村の家族経営のメゾンです。
2020年より1級に昇格した「AOCプイィ・フュイッセ・シュル・ラ・ロッシュ」等、
複数の小区画を所有し、テロワールを重視したシャルドネを生産しています。

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プイィ・フュイッセに1級畑が誕生‼

ドメーヌ・ゲランは、ブルゴーニュ地方の南部マコンの、西側に位置するヴェルジッソン村に1926年に創設されたドメーヌです。現在は2021年よりドメーヌに戻ったバスティアン・ゲラン(Bastien Guerrin)が4代目当主となり、家族経営でワインを造り続けています。

ドメーヌに向かうと眼につくのは印象的な二つの岩山ソリュトレ(Solutre)とヴェルジッソン(Vergisson)です。彼らはこの二つの岩山の周辺に15haの畑を所有しています。点在する畑は35の区画があり、プイィ・フュイッセを中心に、サン・ヴェラン、マコン・ヴェルジッソンの3つのアペラシオンのワインをリリースしています。

 これまでプイィ・フュイッセのワインは、全てAOCプイィ・フュイッセ(+区画名)でリリースされており、格付け畑は存在しませんでした。しかし、造り手達の10年以上にわたる努力が実り、2020年にINAOがプイィ・フュイッセの22区画を1級畑として承認しました。これらの区画で造られたワインは、2020年ヴィンテージより“1級畑”とエチケットに表記が可能になります。ドメーヌ・ゲランが所有する“シュル・ラ・ロッシュ”もその一つです。

“酸”と“熟度”が両立したブドウへの拘り

ソリュトレとヴェルジッソンの岩山は標高500m程。硬いサンゴの化石で出来ている為、2億年の間も浸食が抑えられ、現在の姿となりました。一方、ブドウ畑がある岩山の斜面や周囲は、小石が混ざるジュラ紀の粘土石灰質土壌です。以前はこの一帯は海の底で、その堆積物から成る土壌ですが、その証拠にブドウ畑では、大きな貝の化石を見つける事が出来ます。この土壌がプイィ・フュイッセの個性を造り出しています。

バスティアンはこのテロワールの個性をより明確にワインに表現すべく、栽培・醸造共に努力を重ねています。ビオやビオロジック認証の取得は特に目指していませんが、常に環境に配慮し、殆どの作業は手作業で行い、除草剤や防虫剤などは一切使用していません。ブドウの畝間に生える雑草は畑へとすき込み、ブドウ樹の根本へ土寄せ(ビュタージュ)を行い、春先には土を元に戻します。「酸と熟度が両立したブドウからプイィ・フュイッセを造りたい」。夏暑く冬寒い、この土地の気候に耐えられる様に畑を最適な状態に保つ事で、ブドウ樹は地中深くに根を下ろし、十分にミネラルを吸収し、理想的なバランスのブドウをもたらします。

天然酵母によるアルコール発酵

プイィ・フュイッセは、平地が少なく起伏に富んだ土地の為、彼らの所有畑の90%は手摘みでの収穫が必要です。醸造所へと運ばれたブドウ(シャルドネ)は、全房のまま、又は一部のみ除梗をして圧搾し、コンクリートタンク及びステンレスタンクで発酵を行います。発酵には、天然酵母のみを使用しています。その為、発酵の進み具合は一定ではなく、長いと発酵終了までに5ヶ月程かかる事もあります。発酵の管理に手間がかかりますが、当主バスティアンはワインの品質と熟成のポテンシャルをより高める為には、天然酵母の使用は必要不可欠と考えています。熟成には228L及び400Lの樽を使用しますが、果実味を重視する為に新樽比率は10%程度に抑えています。 発酵期間は10~12ヶ月間かけて行います。

1級格付けの認定もあり、今後更に品質の向上に期待が出来るAOCプイィ・フュイッセ。新世代が造るテロワールと品質を重視した白ワインに注目が集まっています。