アンドレ・ボンノ

André Bonnot

国・地域

フランス ジュラ

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ジュラ地方で、4世代にわたり家族経営を続けているメゾンです。
この地方特有の「ヴァン・ジョーヌ」や極少AOP「レトワール」など、
この地域最良の個性溢れるワインをリリースしています。

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「伝統的手法」と「現代技術」の両方を尊重

1936年ジュラのサン・ロタン(Saint-Lothain)にグザヴィエ・ボンノが設立した家族経営のメゾンです。1952年からは息子のアンドレ・ボンノが受け継ぎメゾンを大きく発展させました。現在は3代目当主のティエリーが4代目となるリチャードへ継承を進めています。ボンノ家がモットーとしているのは、ワイン造りの伝統を守ると同時に起業家精神をもって仕事に取組む事です。ジュラ地方で長年ワインを造り続けてきた彼らは、その地域に根付いた伝統を守ることを重要としています。父ティエリーはジュラ委員会の役員として地域ワインの発展にも尽力しています。また進化する技術や新たな手法も積極的に取り入れ、家族でより高い品質のワイン造りに挑戦しています。

特に本拠地ジュラのワイン造りには大きな拘りを持っています。ヴァン・ジョーヌなど、個性的なワインが多い地域だからこそ、畑選びやワイン選びも慎重に行わなくてはなりません。この土地のテロワールを熟知している彼らは、最良の畑を選び、最良の手法を選択して、良質で個性溢れるワインをリリースしています。

ジュラの伝統品種「サヴァニャン」

ジュラはジュラ山脈の麓の80km程の地域にブドウ畑が点在する産地です。合わせて7つのAOPが制定されており、アンドレ・ボンノは南から北までの広域で作られる「コート・デュ・ジュラ」から、極小のAOP「レトワール」まで、複数の畑からワインを造っています。

ブルゴーニュに近いこの地域では、白の多くはシャルドネ種から作られます。非常にフレッシュで、花や果実のアロマが特徴的です。熟成させる事でハチミツやドライフルーツの要素も出てきます。またこの地域特有の品種「サヴァニャン」も、彼らにとって重要な品種です。単一品種または、シャルドネとブレンドをして使用されます。

AOP「レトワール」は、レトワール村近郊で生産されるジュラワインで、ボンノは、シャルドネ100%の辛口ワインをリリースしています。フランス語で星を意味する「レトワール」という名は、レトワール村の周りに5つの丘陵がある事、また土壌に多くのヒトデの化石を含んでいるからと考えられています。

産膜酵母がワインに与える個性

ジュラ地方のブドウ畑は全体で2,100ha程と、非常に小さなワイン産地です。主にシャルドネとサヴァニャン種が栽培されており、クレマン・ド・ジュラと呼ばれる発泡性ワインの他、辛口から甘口までの多様な白ワインが造られています。

特にワイン愛好家達に好まれているのは、サヴァニャン種をベースとした「ヴァン・ジョーヌ(=黄ワイン)」です。このワインは木樽で熟成させますが、熟成中に「補酒」(目減りしたワインを継ぎ足す作業)を行いません。その為、目減りしたワインにはシェリー酒の様な産膜酵母が発生し、液面を蓋の様に覆います。この酵母の膜がワインの蒸発を防ぎ酸化から守るだけでなく、ワインに独特な味わいを与えます。

6年以上にわたり木樽でゆっくりと熟成させる事で、ヘーゼルナッツやドライフルーツ、スパイスなど非常に複雑で個性豊かなアロマと、黄色の美しい色調が生まれます。「ヴァン・ジョーヌ」は、地元で「クラヴラン」と呼ばれる620mlのボトルで販売されます。このボトルの容量は長期間木樽で熟成する間に、もともとは1Lあったワインが620mlまで目減りする事に由来すると言われています。